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皮膚の病気は、診ただけで診断が可能なものもありますが、その一方で、診ただけでは診断に至らない病気も多数あります。この際、病変を局所麻酔し、皮膚の一部を切り取って分析、診断の補助とします。これを皮膚生検と言います。皮膚の一部を取った後は、ナイロン糸にて縫合し、抜糸は約1週間後に行います。通常は生検から約2、3週間後に、結果を外来にて説明しています。
皮膚の一部をピンセットなどで掻き取り、採取した皮膚に水酸化カリウム液等を用いて角層などの生体要素を加水分解し、顕微鏡で観察することによって真菌や虫体の有無を調べる検査です。
拡大鏡(ダーモスコピー)を用いて、皮膚表面を詳細に観察する検査方法のことです。特に、色素性病変の鑑別に役立ち、悪性黒色腫や母斑、あるいは角層下出血などの鑑別に役に立ちます。検査時間が短く、皮膚生検と違って、侵襲が全くないという利点があります。
光線過敏症の検査には、光線照射テスト、光貼付試験、内服照射試験があります。光線照射テストでは、皮膚反応(紅斑、その他)を生じる光線量を測定することで光線過敏性の程度やどのような光線が皮膚症状をおこしているか判断します。薬剤による光線過敏が疑われる場合には、薬物を皮膚に貼って光を当てたり(光貼付試験)、内服して光を当てる(内服照射試験)ことで原因薬剤の診断の補助とします。
超音波検査とは、超音波の特性を利用して病変を映像化し、観察するものです。皮膚病変の性状や大きさ、深さなどを見ることができます。また皮膚の上からは見えない病変も画像で診ることが可能です。方法としては、皮膚に検査用のゼリーを塗って、超音波を出すプローブという機械を当てるだけです。超音波検査そのものは痛みもなく、繰り返し検査をしても身体に影響はありません。
当院では、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、蕁麻疹等のアレルギー疾患に対し、各種検査(プリックテスト、パッチテスト、皮内テスト、血液検査(IgEなど))で、原因を検索します。一例ですが、パッチテストは接触皮膚炎や薬疹の疑いのある方に行います。具体的には、背中に原因と思われる物質(化粧品などの場合は持参して頂きます)や薬品、当科にある試薬を貼ります。48時間後にはがし1回目の判定を、72時間後に2回目の判定を行います。月もしくは火曜日に貼付、判定を水・木もしくは木・金曜日に行うため、1週間の間に3日間来院して頂くこととなります。
皮膚灌流圧とは、皮膚の表面にある毛細血管の血流を指標とした灌流圧のことであり、皮膚レベルの血流評価をすることによって、難治性潰瘍の治癒予測、血行再建術(バイパス術、血管内治療)前後のモニター、糖尿病合併末梢循環障害肢の重症度評価を行うことができます。