
水谷浩美
| 出身大学 | 京都府立医科大学 |
|---|
■きっかけ
私は女医ですが、入局前に結婚もしており、漠然と、家庭と両立できる科でないと長く続けられない、けど科として興味がもてるところがいいと考えていました。
研修医2年目で皮膚科を2か月間府立医大皮膚科をローテートし、重症のスティーブンスジョンソン症候群やビタミンB2のアナフィラキシーなど興味深い症例を幾例か経験しました。また、全く軽微な症例でしたが、頭部の小腫瘤で切除してみたら珍しい組織であったために症例報告もの(日本語ですが)、という症例も経験しました。これらから強く感じたのが、皮膚科の扱う疾患は非常に幅広く興味深いこと、注意していればささいな症状でも珍しい疾患が隠れていて、症例報告もできる(論文が書ける)などの皮膚科の持つ可能性とその魅力でした。珍しい症例や病態に対して上級医の先生方の感覚が鋭いと思いました。それでいて、医局の雰囲気が全くがつがつ、ぎすぎずしていないのが府立のいいところと思います。
また、皮膚科医は病理もある程度できなければなりません。皮膚科医は診断のツールとしてしばしば皮膚生検を行います。採取した組織の診断は病理医の先生方もつけて下さいますが、最終的には皮膚科医が自分でみて診断します。その頻度は他科に比べてだんとつ多く(他の臓器に比べて生検しやすい部位であるからであると思いますが)、入局当時は病理はハードルに感じましたが、今は肉眼でみえる症状と病理組織像がリンクするときにおもしろさを感じます。
■皮膚科になって良かったこと
・入局時の動機はそのまま実現しています。続けやすい。
続けやすいのは医局事情によると思いますが、府立医大皮膚科は続けやすいと思います。それは、医局の先生方の理解と医局員の質、数に恵まれていることなどが理由としてあげられるでしょうか。
・扱う対象疾患はやはり興味深い。
どの科でもそうなのかもしれませんが、日々はcommon diseaseの対処に追われますが、中にこれは?! という症例がひそんでいます。また将来、大学院で研究をしようとする際に、疾患の幅が広いのはメリットかと思います。
・留学経験のある先生が多数おられる。
医局が医局員を留学させることに積極的であることも魅力だと思います。私は夫の留学に伴い海外転出することとなりましたが、医局からも快諾、推薦いただき、渡豪先で臨床研究を行えることになりました。経験のある先生方と日々お話できることでやる気と希望をもらいました。同時期にもう一人海外留学する医局員もおりますし、このようなことができるのも医局の先生方の理解と医局員の質、数に恵まれているためと思います。
■皮膚科を考えている研修医に向けて
皮膚科を考えている皆さん、とくに女医の皆さん。
結婚も、子供も、臨床能力も、皮膚科専門医も、大学院も、とあれこれ考えると、いかに続けやすいといっても、やはり周りのサポートは重要です。府立医大皮膚科は個人の頑張りとニーズに応じていろいろな働き方を提案してくれますので、恵まれた環境の中でできる限り個人の力を伸ばして行っていただきたいと思います。
中村健太郎
| 出身大学 | 京都府立医科大学 |
|---|
■皮膚科を志望した理由
自分自身肌が弱く、何となく皮膚は身近な存在だった気がします。
内科的な疾患から外科的な疾患まで幅広く、学問的にも面白そうだなと感じ皮膚科を志望しました。
■皮膚科の魅力、展望
個人的に皮膚科の醍醐味は診断にあると思っています。皮疹を見て病因や病態を推測し診断を導く過程は、ある種謎解きのような感じで面白いです。
昨今はAIの発展が目覚ましく、皮膚科でも悪性腫瘍をはじめとして専門医と遜色ない診断精度を誇るAIモデルが出てきています。
今後はAIの力を借りながら、疾患や患者さんが困っておられることの本質を見極められる皮膚科医が求められていると感じます。
■さいごに
ジェネラリストとして幅広く診ていくも良し、スペシャリストとして興味を持った分野を極めていくも良しで、自分のやりたいことが叶う医局だと思います。
皮膚に興味があり皮膚疾患を持つ患者さんの力になりたいとお考えの方、まずは見学にいらしてみてください。お待ちしています。
山本由美子
| 出身大学 | 近畿大学 |
|---|
皮膚科診療は、アトピー性皮膚炎や乾癬などの炎症性疾患から、悪性腫瘍や希少疾患に至るまで幅広く、患者さんの生活の質を守るために果たす役割は大きく多様です。
私はもともと外科治療に携わりたいと考え、消化器外科の専攻医としてキャリアをスタートしました。手術に没頭する日々を過ごす中で、手袋アレルギーによる手荒れに悩まされ、自分の力だけではコントロールできない状況に直面しました。荒れた手で患者さんの治療に携わり続けることは業務上大きな支障であると判断し、転科を決意しました。その際、治療でお世話になったのが皮膚科であり、自らの患者としての体験が、皮膚科医として新たな道を歩む契機となりました。
皮膚科に身を置いて感じるのは、多様なバックグラウンドを持つ医師を受け入れ、その強みを活かす柔軟さです。外科で培った経験をもとに皮膚外科や腫瘍診療に携わることができ、同時に研究や教育にも挑戦できる環境があります。熱心に指導してくださる上級医や、切磋琢磨し合える仲間の存在が、私の成長を支えてくれています。
京都府立医科大学皮膚科は、自らの道を探し、成長していける場です。皮膚科に興味を持たれる方には、ぜひその一歩を踏み出していただきたいと思います。
弓場千晶
| 出身大学 | 高知大 |
|---|
初期研修で皮膚科をローテートし、内科的な疾患から外科的な疾患まで幅広く扱い、外来や病棟管理だけでなく手術、アレルギー検査、病理など様々な診療ができることに魅力を感じ、「飽きずに長く続けられそう」と入局を決めました。実際に入ってみてもその印象は変わらず、日々新しい学びがあります。
皮膚科の魅力はたくさんありますが、まずは疾患が目に見えるということ。治療によって病変が改善していく様子を直接確認できるのは、大きなやりがいです。
また、皮膚科以上に生検を行いやすく、臓器にアプローチしやすい科はほかにないと思います。皮膚生検では「病変で何が起こっているのか」を見ることができます。どんな組織像が見られるか想像しながら生検を行い、返ってきたプレパラートを手に取るときにはワクワクしますし、臨床所見とリンクする所見が得られたときには、とても面白いなと感じます。
私は皮膚科2年目の秋に出産し、その後産休・育休を経て3年目の春に復帰しました。妊娠中は体調を気遣いながら無理のない範囲で勤務内容を調整していただき、復帰後も子どもの急な体調不良などでのお休みに柔軟に対応していただける環境に、とても感謝しています。
医局内には出産・育児を経て復職された先輩女医の先生も多く、ロールモデルとなる先生がたくさんおられますし、困ったときには気軽に相談できます。フルタイム勤務、特定専攻医、大学院進学など様々なキャリアパスがあり、自分に合った働き方を選べるのも大きな魅力です。
京都府立医科大学皮膚科は、温かくて相談しやすい雰囲気があり、一人一人の状況に応じた働き方を尊重してくれる医局です。皮膚科に興味があれば、ぜひ気軽に見学に来てみてください。
小西悠介
| 出身大学 | 京都府立医科大学 |
|---|
私は京都府立医科大学出身で、学生時代はラグビー部に所属していました。フィールドで仲間と声を掛け合いながら試合を組み立てていく感覚は、皮膚科での診療にも通じる部分があります。京都府立医大皮膚科は、入院患者さんの診療はチーム制で行われ、先輩・同期・後輩と連携しながら、一人ひとりの患者さんに最適な治療方針を組み立てていきます。私はこの「仲間と一丸になってゴールを目指す」空気感が好きです。
京都府立医大皮膚科は、皮膚科領域で重要なアレルギーと皮膚外科の2領域に強みを有し、それぞれ専門資格を有するエキスパートの先生方から直接指導を受けられる環境が整っています。アトピー性皮膚炎や薬疹といったアレルギー疾患の最新治療から、悪性腫瘍や再建を伴う皮膚外科手術まで幅広く経験できます。ローテーションで両領域を回ることができるため、皮膚科医にとって重要な領域の疾患を多く学ぶことができます。さらに、学会発表や論文執筆もしっかりと指導してもらえるために、経験した症例を着実に学術活動へとつなげていくことができます。
京都府立医大皮膚科は、臨床だけでなく研究体制も充実しています。世界に先駆けた創薬を目指す老化研究や、産学連携を基盤とした医療機器開発など、多彩なテーマに挑戦できる体制があります。アトピー性皮膚炎や発汗障害などの難治性疾患の病態解明、統計学的手法を駆使した疫学研究など、医局員個々の関心や将来像に応じた研究を進めることが可能で、経験豊富な教員による丁寧な指導を受けられます。
皮膚科の魅力は、診断・病理・手術・治療までを自分たちの手で一貫して行える点にあります。診断のための視診・触診から始まり、必要に応じて皮膚生検を行い、自分で病理像を確認して診断をつけ、さらに外科的治療や外用・内服治療まで担当します。まさに「自分で考え、自分で完結する」醍醐味があります。
医局の雰囲気は温かく、日々充実しています。質問すれば誰かが必ず答えてくれるアットホームな環境です。私はこの京都府立医大皮膚科で、学生時代に感じたラグビー部のような「安心して挑戦できるチームの力」を再び実感しています。
皮膚科に少しでも興味がある方は、ぜひ一度見学にお越しください。きっと、この京都府立医大皮膚科の魅力を肌で感じてもらえると思います。