ホーム > 皮膚科学教室 > 教室について

教室について

福本毅 顔写真

ごあいさつ

京都府立医科大学皮膚科学教室の第十代教授を、2025年6月より拝命いたしました。1897年に開講した当教室は、約130年にわたり日本の皮膚科学の発展に寄与してきた、我が国において最も歴史のある教室の一つです。この長い歴史と伝統を深く尊び、継承しつつ、時代の要請に応じた新たな進化を遂げることこそが、当教室の使命と考えております。

当教室が目指すのは、診療を通じて患者さんの心身の苦痛を軽減し、人間らしく生きることを支える全人的医療の実現です。皮膚は身体の内外をつなぐ重要な臓器であり、その疾患は患者さんの生活や精神にまで深刻な影響を及ぼします。皮膚疾患でお困りの全ての患者さんへ、高い水準の心優しい診療をお届けいたします。さらに臨床現場で生じた問いを研究によって解明し、その成果を再び患者さんに還元するとともに、次世代へ継承する教育にも力を注いでまいります。

「世界トップレベルの医療を地域へ」を理念に掲げ、診療においては、アトピー性皮膚炎、乾癬、じんま疹、脱毛症といった炎症性疾患領域、腫瘍性疾患や壊死性筋膜炎などの皮膚外科領域、さらに発汗障害や色素異常症など、広範な皮膚疾患に対し高度かつ専門性の高い医療を提供しております。各領域で深い知識と豊富な経験を有する医師が専門外来を担当しており、また全国でも有数の皮膚外科手術件数を誇ります。幅広い疾患への対応力を強みとし、地域社会からも信頼される診療体制を構築しております。

研究においては、臨床から生じる疑問を原動力として、臨床・基礎研究を多角的に展開し、世界に誇る独創的な成果を京都から発信してまいりました。創薬や新規デバイス開発をはじめ、臨床現場への迅速な還元を目指す研究においては、産学官連携を通じて社会実装を推進しております。さらに、京都府立医科大学の基礎医学教室との協力や、海外の研究施設・大学との共同研究を積極的に展開し、皮膚科学の新たな1ページを切り拓く革新的な発見にも挑んでおります。

教育においては、診療・研究で培われた知見と経験を次世代へ伝承し、患者さんを診る温かな心と本質を見抜く確かな眼を併せ持つ医師の育成に尽力しております。診療は一人で成し遂げるものではなく、すべての医療従事者との連携と協調が不可欠です。私たちは、患者さんのみならず、共に働く仲間や地域社会からも信頼される人間性を基盤とし、その上に知識と技術を高め続ける人材の育成に努めてまいります。多様性を尊重し、互いを思いやり、調和を重んじる教育環境の構築を目指しております。

診療・研究・教育は、いずれも人と人との出会いと信頼によって支えられております。当教室の関連病院は京都府を中心に、滋賀・大阪・兵庫にまで広がり、同門会「橘蔭会」には約250名の会員が在籍しております。病診・病病連携、症例検討会、勉強会を通じて、常に最新の知識を共有し、互いに切磋琢磨しながら向上する環境を育んできました。この恵まれた環境のもと、教室員一人ひとりが個性を存分に発揮し、成長し続けられる活気ある教室づくりを目指してまいります。

京都府立医科大学皮膚科学教室教授
京都府立医科大学付属病院皮膚科部長

福本 毅

皮膚科学教室